女性保険の選び方は?必ず知っておきたい比較ポイント

女性からの一定のニーズを受け、保険会社が力を入れて販売している女性保険。今やさまざまな女性保険が登場していますが、その商品選びになにかコツはあるのでしょうか?

数ある女性保険を比較する際に注目すべきポイントを考えていきたいと思います。

目次

そもそも必要?女性保険である前に医療保険ですよ

女性保険とは、医療保険に女性疾病特約が標準付帯されたセット商品のことです。通常の病気を保障しながら、乳がんや子宮がんなど、女性特有の病気になったときは特に手厚い保障を受けられる保険のことをいいます。

つまり、女性保険は女性向けに作られた医療保険ですから、女性保険だからといって特別に悩む必要はあまりありません。入院給付金をいくらにするか、1入院の入院限度日数を何日にするか、先進医療特約を付けるか付けないかなどの基本保障は、医療保険と同じ考え方で決めればいいのです。

ケース別で考える医療保険の賢い選び方

定期型か終身型かも医療保険と同じ

定義型を選ぶか終身型を選ぶかも医療保険と同じです。両タイプの違いは定期型と終身型の違いを徹底比較で解説してあるので詳細は割愛しますが、要は「保障が一生続くか否か」です。

一定期間のみを保障する定義型に対し、終身型は保障が生涯続きます。しかし保険料は定期型より高く、また解約しないことを前提で加入するため、途中で保険を見直しにくいデメリットがあります。

一方、定期型はフットワークが軽く保険の見直しも容易ですが、満期を越えて継続したければ更新料を支払わねばならず、毎回更新し続けているとトータルでは終身型より高くつきます。

比較項目定期型終身型
保障期間・更新が必要
・保険の見直しがしやすい
・加入に年齢制限がある
・一生涯続く
・保険の見直しがしにくい
保険料・契約の続行には更新料がかかる
・同年代の保険料は終身型よりも安い
・年齢が上がるにつれ保険料高くなる
・物価変動やライフプランの変化に対応しやすい
・一生固定
・同年代の保険料は定期型よりも高い
・支払いが一生続く。ただし60歳払込など払込期間の短縮も可能
・物価変動やライフプランの変化に対応しにくい
解約返戻金掛け捨て選択可能

このように、両者ともあっちを立てればこっちが立たずで、どちらが優れているか答えを出すことはできません。一度の加入で生涯安心の終身型を選ぶのも良いですし、「病気で医療費がかかると不都合になる時期」を想定できる人は、その時期を重点的に手厚くできる定期型を選ぶのも良いでしょう。

特に女性特有の病気は、年代別による発症の確率もありますからね。

女性特有の病気はいつかかる?発症する可能性を年代別にチェック

ただ前述したように、終身型・定期型の選択は女性保険というより医療保険全体の選択ですので、女性特有の病気にとらわれすぎると良くないかもしれません。女性特有の病気は確かに恐ろしいですが、数や種類でいえば性別を問わずかかる病気の方が遥かに多いからです。

女性疾病の対象範囲を比較する

医療保険との共通事項が確認できたら、次は女性保険ならではのポイントを比較していきます。最も見比べたいのは、女性疾病の保障対象範囲の差異です。実は、女性特有の病気は保険会社によって定義が異なるため、「A社では保障されるのにB社では保障されない」といったことが起きてしまうのです。

「女性特有の部位に発症する深刻な疾病」が保障対象なのはほぼ共通ですが、「女性に多い病気」については保障してくれる商品とそうでない商品があります。

保障対象となる疾病は約款に一覧で掲載されていますから、面倒くさがらずに必ず見比べておきましょう。 なお、人間ドックや美容整形のための手術や処置は保障対象外なので誤解ないよう注意してください。

上乗せ額と保険料のバランスを比較する

女性特有の病気になったとき、どの程度保障の上乗せができるかと、その際の保険料を比較しましょう。入院給付金の上乗せ額は5,000円か1万円か、手術したら一時金をいくら受け取れるのか?などです。

もちろん、保障を手厚くすればするほど保険料が上がります。各社の比較で見たいのは、上乗せプランの充実度と保険料のバランスですね。いくら安心の保障内容でも家計を圧迫するようでは本末転倒です。

個人的には、女性特有の病気だからといって何百万円もかかるわけではないため、最低限の上乗せ額でも問題ないと思えます。基礎保障の医療保険からもきちんと給付金がおりるからです。

妊娠時・出産直後の加入難易度を比較する

通常の医療保険と同じく、妊娠中や出産直後の加入は断られたり、保障範囲に制限が設けられる、「特定部位の不担保」という条件付きの加入になったりします。

妊娠中では、7ヵ月目以降はそうした条件が付く商品が一般的です。なかには10ヵ月まで可能な商品もあり、また通常は保障対象外の正常分娩を保障する商品も出てくるなど、女性のニーズに合わせた商品が登場しています。 出産直後は、直前の出産が帝王切開であれば加入を制限されるのがほとんどですが、その制限期間はやはり各社により異なり、2年であれば5年であることもあります。

できるだけ条件が良いところを選びたいものですが、寛大な加入条件と引き換えに保険料が割高でないか、しっかりと比較してください。

女性保険に加入するなら知っておきたいベストなタイミング

お祝い金の有無をどうするか

女性保険には、所定の期間中に一定の条件を満たせば「お祝い金(ボーナス)」を受け取れる商品があります。「一定の条件」にはいろいろなタイプがありますが、女性保険では下記の2種類を覚えておくといいでしょう。

健康ボーナス3年や5年などの所定の期間中、入院や手術給付金を受け取らなかった場合に支給されるボーナス
生存給付金5年や10年などの所定の期間中、生存していれば支給されるボーナス。期間中の入院・手術給付金などを請求していても受け取れる

ボーナスという言葉にお得感があるものの、その分保険料が上乗せされていること、ボーナスの元手は上乗せされた保険料から出ていることを理解しなければなりません。条件を満たせば確かに給付金を受け取れますが、そうでなかった場合は1円も返ってこず、ただ割高な保険を支払い続けたという結果しか残らなくなります。

「支払う保険料」と「受け取れるかもしれない給付金」についてじっくり考えたうえ、それでもお得と感じるならお祝い金付きの保険を選ぶといいでしょう。

さいごに

妊娠・出産にかかわる保障内容など、女性保険には比較すべきポイントが確かにありますが、基本保障はあくまで医療保険であることを理解してください。女性特有の保障ばかりに目がいって、大本の医療保険が使いにくかったり、頼りない商品だったりでは意味がありません。

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