人気の軽キャンピングカー 自動車保険でもコストダウンできますか? 

日本オートキャンプ協会によると、国産のキャンピングカーは500万円から600万円台が中心。子育て世代にとっては高根の花という金額です。 しかし、最近では200万円前後で購入できる軽自動車をベースにしたキャンピングカーの人気が高まっています。

日本オートキャンピング協会によると2014年3月末の国内利用台数は1548台で2013年3月末と比べて28.7%増。2006年3月末の302台から毎年伸び続けている。車体の価格だけでなく、燃費もよいほか自動車税など維持費が安いことも魅力につながっている。

確かに軽自動車なら自動車税だけでなく自動車保険も安くなる気がしますね。今回はキャンピングカーと軽キャンピングカーの自動車保険について確認しておきましょう。

目次

キャンピングカーの種類と自動車保険

キャンピングカーは大きく自走式と牽引式(トレーラー)に分けられます。自走式は文字通り車両そのものにキッチンや就寝スペースなどを備えたタイプで、コンバージョンなどと呼ばれています。トレーラーは牽引装置によって牽引されるフレームにキャビンを載せて走りますが、中には「トレーラーハウス」などと呼ばれる、動く家のような大型のキャンピングトレーラーもあります。

こうしたキャンピングカーの中で、手軽な価格と維持費の安さ、日本の道路事情などから最近人気が高まっているのが軽キャンピングカーです。軽キャンピングカーは自走式の一種で、軽自動車の貨物車や乗用車をベースに設計製造されたものです。

大型のトレーラーハウスから軽キャンピングカーまで、公道を走るからには自動車損害賠償責任保険(自賠責)への加入は必須です。しかし任意保険への加入は一般の自家用車とは違い注意が必要です。インターネットの一括見積りでは「キャンピングカーはお見積りできません。」と除外されてしまいます。

これは、保険会社によって取り扱う自動車の用途や車種が限られていて、キャンピングカーのような特殊な車両の保険を一律で引き受けできないからです。

キャンピングカーの自動車保険事情

安心してキャンピングカー旅行を楽しむためにも、まずはキャンピングカーの自動車保険について確認しておきましょう。

1.自家用8車種の中の特種用途自動車に分類

キャンピングカーは、自家用8車種の中の特種用途自動車(キャンピングカー)に分類されます。ウェブで申し込みできるのは、一般的には下表の小型貨物車までの5車種に限られています。個別に引き受け基準が異なるキャンピングカーはウェブでの加入も一括見積もりもできません。

また、特種用途自動車の取り扱いがない保険会社では、キャンピングカーは任意保険に加入できない場合があります。

自家用8車種
ナンバープレートの色分類番号用途車種排気量など
白に緑の文字3ナンバー自家用普通乗用車乗用定員10人以下
白に緑の文字5・7ナンバー自家用小型乗用車排気量2000㏄以下など
黄に黒の文字5・7ナンバー自家用軽四輪乗用車排気量660㏄以下など
黄に黒の文字4・6ナンバー自家用軽四輪貨物車排気量660㏄以下など
4・6ナンバー自家用小型貨物車排気量2000㏄以下など
1ナンバー自家用普通貨物車最大積載量0.5トン以下
1ナンバー自家用普通貨物車最大積載量0.5トン超2トン以下
8ナンバーのみ特種用途自動車 (キャンピング車のみ) 

2.車両保険を付帯できるか確認

一般の自動車保険では自動車の型式ごとに保険料が決まっています。しかし、キャンピングカーは改造車であったり特殊な車両であったりするため、車両保険を付けるのが難しい場合があります。車検証に「改」や「型式不明」とある場合は車両保険を付けられるかどうか購入前に確認しておきましょう。

3.自家用車との車両入替や等級継承可能

キャンピングカーは特殊な車両とはいえ自家用自動車に分類されますので、一般の自家用車との車両入替や等級継承は可能です。20等級に近い車と入れ替えできれば保険料はぐんと安くなります。

軽キャンピングカーの自動車保険は安いのか?

軽自動車は一般車に比べて自動車保険も安くなりますが、最近人気の軽キャンピングカーも軽自動車として安くなるのでしょうか?

軽キャンピング車の車検証の登録が、「自動車の種別」が「軽自動車」で「用途」が「特殊」、「車体の形状」が「キャンピング車」となっていた場合、軽自動車として加入できるのでしょうか?

実際に保険会社のコールセンターに電話をして確認してみたところ、回答は以下のように分類することができました。

  1. キャンピング車であっても「自家用軽四輪乗用車」または「自家用軽四輪貨物車」として加入できる。
  2. 「自家用軽四輪乗用車」または「自家用軽四輪貨物車」として加入は可能だが、車検証の登録の内容や車体の形状によって引き受けが異なる。
  3. 「用途」が「特殊」となっていればたとえ軽自動車でも「特種用途自動車」としての加入になる。
  4. 車検証がないと一切答えられない。

大手損保会社からネット損保まで10社程度電話をしてみましたが、①の回答は1社のみでした。保険会社に直接問い合わせをすると、キャンピングカーに慣れている会社、苦手な会社がよくわかり興味深いこともありました。また、キャンピングカーだからと言って保険の引き受けができない、という会社はありませんでした。

軽キャンピングカーの自動車保険料が安く抑えられるかどうかは車検証の登録内容と保険会社の判断により微妙なところです。実際の加入時にはキャンピングカー専用の自動車保険代理店のサイトもありましたので参考にしてみてください。

自動車保険は燃費や税金、車検とともに購入後のランニングコストとして重要です。キャンピングカーにやさしい保険会社を見つけることで、車両保険までしっかり加入し、安心してキャンピング旅行を楽しんでいただきたいものです。

参考

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この記事を書いた人

有限会社ヒューマン・マエストロ取締役。大学卒業後、地方銀行にて融資業務担当。結婚、出産後7年間の子育て専業主婦。その後、住宅販売、損保会社、都市銀行の住宅ローン窓口を経て独立。現在は中央線を中心に活動する女性FPグループ「なでしこFPサロン」のメンバーとともに、さまざまな専門分野を持つFP・士業と連携しながら、お客様の悩みをワンストップで解決することを目指している。身近なお金の問題に役立つ講演・執筆多数。

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