
先般、金融庁が数社の生命保険会社の「約款」について修正を求めたことが報じられました。
その修正とは次のようなものでした。
生保4社、約款に「遺伝」「家族歴」記載…金融庁が削除命令
《要約》金融庁は、生命保険会社4社が保険の契約内容を記した約款に、遺伝に関する記載をしていたことが判明したので、不適切な表現として削除を命じたことを発表しました。 家族の病歴などの遺伝情報を加入審査に使っていると取られかねない内容で、各社とも同庁の命令に応じる方針だということです。
金融庁は、生命保険会社4社が保険の契約内容を記した約款に、遺伝に関する記載をしていたことが判明したので、不適切な表現として削除を命じたことを発表しました。
家族の病歴などの遺伝情報を加入審査に使っていると取られかねない内容で、各社とも同庁の命令に応じる方針だということです。
保険会社は約款のこの記載について「今は家族歴を加入審査に使っていないが、約40年前の記載が残っていた。」と説明したのだそうです。人種差別と受け取られかねないこのような記述が長期間にわたって見過ごされていた事実は「保険の約款があまり人目に触れる機会が少ない」ことの証左ではないかと思います。つい先日「広辞苑」改訂版が発売された直後に、「LGBT」の説明が不正確との反応があったこととは対照的な事例と言えます。実は保険の約款は発行部数がとても多いのに、実際には読まれていないのではということから、業界内では「日本で最も読まれないベストセラー」などと揶揄する人もいるのです。