同性パートナー証明は保険契約に変化をもたらすのか?

2月中旬に報じられた、渋谷区が同性カップルにパートナー証明書を発行する条例案を区議会に提出するというニュース。びっくりした人も多かったのではないでしょうか。

唐突にも思えますが、渋谷区では2014年に検討委員会を立ち上げ、準備してきたようです。

渋谷区、同性カップルに証明書 条例案「結婚に相当」

渋谷区は同性カップルを「結婚に相当する関係」とする証明書を発行する条例案を区議会に提出。可決された場合、全国で初めて自治体が同性同士をパートナーとして証明し、結婚に準ずる関係と認める制度となる。

この条例案では、区内に住む20歳以上の同性カップルが対象で、お互いに後見人となる契約を公正証書で交わすことが条件となる。パートナー関係を解消する仕組みも設けられると見られている。

こうした渋谷区の動きに触発された形で、世田谷区も動きました。

世田谷、同性カップルの認定検討 区長判断で

世田谷区の保坂展人区長は、性同一性障害であると公表している世田谷区議や同性カップルらから同性パートナーシップ認定制度などを創設するよう求める要望書を受け取り、「区長判断でできることに絞り、具体化したい」と述べたという。

世田谷区では、同性カップルを家族として扱い、公的に認める制度について、渋谷区の条例化とは別の制度を創設するようですが、どのような制度になるか詳細はまだ不明です。

同性パートナーシップ証明のメリット

そもそも日本には同性婚を認める法律はありません。しかし、結婚に準ずる同性パートナーシップ証明が可能になれば、これまで同性カップルに認められなかったことが認められるようになると見られています。

例えば次のようなものが挙げられます。

  • 家族向け区営住宅の利用
  • 賃貸住宅への入居
  • 企業の家族手当など家族向け福利厚生(企業の方針による)
  • 病院で「家族」として面会
  • 手術など医療行為の同意書に署名
  • 携帯電話の家族割引など夫婦・家族向け各種サービス

ただし、あくまでも自治体が認める制度であるだけで、法的な婚姻関係ではないため、遺産相続の権利や配偶者控除をはじめ税制上の権利など、認められないものもたくさんあります。

同性パートナーの保険契約はどうなる?

さて、ようやく保険の話です。一部の自治体とはいえ同性パートナーシップが証明されるようになった場合に、保険契約の仕方に何か変化はあるでしょうか。例えば、自治体で認められた同性パートナーが、お互いを保険金の受取人にして契約をするなどは可能になるのでしょうか。

将来的にはわかりませんが、あくまでも現状で考えると、残念ながら答えは「No」です。

そもそも生命保険に加入する際、保険金受取人として指定できるのは、多くの保険会社では配偶者か2親等以内の血族(祖父母、父母、兄弟姉妹、子、孫など)に限られています。中には、(異性間の)事実婚や内縁関係の年数が長かったり、入籍が間近である場合には認められる例もあるようですが、まだまだ一部のようです。ましてや同性パートナーとなると、ハードルは高そうです。

某生命保険会社広報部Oさんによれば、「保険会社は戸籍上の関係で判断するのが原則なので、同性パートナーに自治体が証明書を出したとしても、保険金の受取人として認められるようになるのは難しいでしょう」とのこと。

では、何か方法はないのでしょうか。

遺言を残す方法ももちろんありますが、実は、保険金の受取人になる裏ワザがあります。先ほど書いたように、生命保険に加入する際には原則、配偶者と2親等内の血族が保険金受取人となりますが、契約後の保険金受取人の変更は決して難しくはないのです。

そのため、1度親などを受取人にして契約をした後に、パートナーを保険金受取人に変更することで、自分に万が一のことが起きた時にお葬式を出してくれるなど残したい相手に保険金を残すことができます。

参考

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