自分にぴったりの商品を探せる「火災保険選びの5STEP」

火災保険の中から、自分に合った商品を選ぶには比較検討することが重要ですが、比較に先立って、火災保険の基本的な仕組みを理解しておくことと、自分にとっての重要事項を整理しておくことが必要です。ここでは火災保険選びの手順をまとめました。

目次

STEP1 保険の目的をはっきりさせる

火災保険は、その目的として、「建物」と「家財」の2つがあります。火災保険に加入するときは、いずれに(あるいは両方に)保険をかけたいのかを決めるところからスタートしますが、これは、住まい方によってほぼ決まってくると言えるでしょう。

住まい方火災保険の目的(保険をかける対象)
戸建の持家を所有原則として建物と家財の両方
分譲マンションの部屋を所有建物の専有部分と家財
賃貸マンションに入居家財のみ

【関連記事】火災保険の仕組み 住まいのパターン別、必要な火災保険は?

賃貸住まいであれば、比較的安価なミニ保険(少額短期保険)でも十分な場合がありますので、比較の対象に入ってきます。ミニ保険は建物の保険がないので、持家の場合は損保会社の保険か共済から選ぶことになります。

【関連記事】賃貸住まいの人なら使いやすい「ミニ保険」の火災保険

なお、家を買うために住宅ローンを利用する人が、ローン利用の条件として火災保険に入る場合、「質権設定」が必要であったり、選べる商品が限られていることがありますので、注意しましょう。

【関連記事】住宅ローン利用時に必要な火災保険加入の注意点

STEP2 必要な補償範囲を考える

火災保険は、住まいに関する損害を補償するためのもので、補償範囲は火災に限定されません。昔は、さまざまな補償が一括りのパッケージになった商品がほとんどでしたが、最近は細かくカスタマイズできる商品も出ていますので、ある補償が必要か必要でないかの判断をしなくてはなりません。

これは、火災保険の補償について、一通りの知識は持ったうえで、自分の住まいにとってその補償が必要かどうか見極めていくという手順になります。

補償範囲必要性
火災・落雷・破裂・爆発火災保険の基本補償
風災・ひょう災・雪災地域(台風や降雪が少ない地方など)によっては必要性が薄い
落下・飛来・衝突、騒じょう住まいの形態(高層階など)によっては必要性が薄い
水濡れ住まいの形態(戸建など)によっては必要性が薄い
水災地域(台風や降雪が少ない地方など)や立地(近くに河川がない)によっては必要性が薄い
破損・汚損、盗難必要性を感じるかどうかは考え方次第
地震保険必要性を感じるかどうかは考え方次第

地域性があるリスク(風災・ひょう災・雪災、水災)についてはハザードマップや過去の統計なども参考になるでしょう。

【関連記事】火事の被害だけじゃない、火災保険の補償範囲

また、費用保険金や特約については、仕組みをよく理解して、必要性を判断します。個人賠償責任保険など一部の特約については、自動車保険など他の損害保険と重複しないよう注意が必要です。

STEP3 適切な補償額を考える

火災保険の補償額は、ほぼ物件の規模や世帯人数などから、ある程度決まってくるので、あまり悩む必要はないかもしれません。保険会社や代理店に物件の情報などを伝えれば、適切な補償額を算出してもらうことができるでしょう。

このとき、物件の評価額は「新価(再調達価額)」で考えることが大切です。最近の火災保険は、新価で考えるのが基本ですが、共済など時価での契約が可能な商品もあります。時価で契約することはほとんどないと思いますが、念のため、意識しておきます。

家財の補償額は世帯人数などをもとに、保険会社ごとの基準で決められることが多いですが、自身の判断で、増減させて構いません。建物に比べると、再調達に必要な額もイメージしやすいかと思いますので、必要ならば、実際に家にある家財の価格をすべて合計していく「積算評価」で算出すればいいでしょう。

【関連記事】建物・家財の適切な補償額はどれくらい?

また、補償内容に関連することでもありますが、免責額や自己負担額といったものを設定することで、一定額以内の損害が補償されなかったり、補償額が差し引かれたりする代わりに保険料を抑える方法もありますので、知っておきましょう。

【関連記事】知っておきたい火災保険の保険料を安くするテクニック

STEP4 複数の商品で見積もりをとり、比較検討する

ここまでの手順で、自分にとって必要な火災保険がどんなものか、その輪郭が描かれていることでしょう。あとは、具体的な商品の情報を集め、比較検討するプロセスに入ります。

一括見積・資料請求サイトなどを利用して見積もりやパンフレットを取り寄せるのもいいですし、保険相談を利用してもいいでしょう。一括見積・資料請求サイトや多くの保険相談サービスは無料で利用できます。

見積もりや資料を取り寄せて比較検討するとき、単純に保険料だけを見比べるだけで終わらないようにしましょう。補償内容がまったく同じなら、それでもいいのですが、実際にはそういうことはないので、補償内容も合わせて比べたうえで考えます。

特に、以下の点は商品によって違いが大きいので、注意して見比べてみましょう。

  • 費用保険金の扱い(補償額に含む場合と、別に保険金が出る場合とがあります)
  • 免責、自己負担額の有無
  • 各種割引の存在
  • 各種付帯サービスの存在

【関連記事】保険会社によって何が違うか?火災保険比較のポイント

STEP5 加入の申し込み手続きをする

これはという商品を見つけて心が決まれば、加入の申し込みをします。火災保険は代理店を通じて申し込む場合が多いですが、最近は保険会社で直接申し込みを受け付けている商品もあります。

入りたい商品が決まっている段階では、加入の仕方による違いはありませんが、金融機関などで案内される専用商品など、特定の代理店を通じてのみ加入できる商品もあります。

【関連記事】直販VS代理店 火災保険に「有利な加入の仕方」はあるか?

目次