AIでリスク度を算出して4か月目以降平均30%割引に!スマホの補償「スマホ保険」

AIで仕事がなくなるかもという話など、技術の進歩には目を見張るものがありますよね。
実は、保険の仕組みにも、AIが活かされて、「手続きや給付事務は迅速に透明に、そして契約者の日常の安全行動から負担も合理的かつ公平で無駄がない」という商品が登場し始めています。

今回は、スマートフォンで簡単に手続きできるスマホを補償する保険について、従来の保険の前提にとらわれない発想と合理的な仕組みづくりについて、justInCase畑社長にも取材し、従来のスマホの補償とどう違うのか整理しました。

justInCase畑加寿也社長、スマホで保険当たり前に

《要約》今や生活になくてはならないスマホ。そのスマホの画面割れや水没・修理の費用を賄う保険が、スマホアプリで完結する形で登場しています。特に、justInCase社のスマホ保険が画期的なのは、スマホ内のジャイロセンサーを使って落下などのデータを集め、利用者ごとの安全スコアをAIで算出し、丁寧に使っていれば保険料を4か月目以降の更新時に割り引くという仕組み。また、保険に関する多くの事務をAIで自動化し、アプリで締結完結するなど、独自性が注目されています。

スマホ補償というと従来は・・・

今までスマホの補償というと、携帯ショップで契約する際に、破損等に対する補償をつけるかどうか聞かれて、月額の課金などで契約するケースが多かったと思います。それらは、大手キャリアによる付加サービスで、おそらく他を比較検討する余地も少なく、経済的余裕から見送った方や、勧められるままにサインしたという方も多いのではないでしょうか?

しかし、最近、少額短期保険から、スマホの破損や汚損、水濡れおよび故障が発生し修理費用等に対して、保険金が支払われる費用保険が登場してきています。スマホの購入時のみでなく、中古スマホやSIMフリー端末でも利用できるなど、範囲も広く注目され始めています。中でも、justInCase社の「スマホ保険」は、アプリ完結という手続き方法や補償期間、保険料などでも、次のように大きな特徴があります。

スマホの補償の主な内容(2019年9月現在 筆者調べ)
  キャリア系 独立系
AppleCare+ docomo ケータイ補償 justInCase スマホ保険
加入できるスマホ 新規購入時
中古 ○(画面割れ等の状態の悪い物を除く)
SIMフリー
補償される内容 画面割れ ○(自己負担3,400円) ○(最近の機種は自己負担11,000円) ○(自己負担3,500円の
有無を選べる)
その他故障・水濡れ ○(自己負担11,800円)
紛失・盗難 オプション ○(支払い上限額の半額)
補償される回数 2年間で2回まで 1年間で2回まで 何回でも(機種によって最大14.18万円など)
補償期間 通常1年を購入後2年まで延長 無制限 3カ月更新
毎月の課金・保険料 機種によって月割計算で
約1000円
機種によって750円~1000円 機種によって、356円~1000円弱。無事故なら安全に使えば4カ月目以降平均30%割引
修理できる場所 Apple正規店のみ ドコモ指定の故障取扱窓口 Apple正規店、街の修理屋さん
消費税の課税対象の有無 課税対象 課税対象 非課税

(1)契約タイミングについて:端末の新規購入時以外でも契約でき、契約手続きはアプリで90秒という早さ

キャリア系の補償サービスでは、端末購入時を基準として14日以内30日以内といった期間内での手続きになるのに対し、この「スマホ保険」は、中古端末、格安SIM・SIMフリー端末、並行輸入品でも加入でき、端末の対象がかなり幅広いといえます。

ただし、はじめからリスクのある状況では加入できないのは保険共通のルールです。画面割れなどの状況については、アプリで契約手続きをする際に、スマホ端末に関する情報(IMEI)、スマホの自撮り動画などをもとに審査されます。そして、破損など状態の悪い端末とみなされた場合は契約できません。

なお、スマホのアプリをダウンロードして、手続きも約90秒で契約完結するという迅速さには目を見張ります。電車の中など隙間時間で簡単にでき、若い人にもハードルは低いと言えます。

(2)補償期間と途中見直しについて:3カ月ごとに更新して見直せ、機種変更にも対応可能

キャリア系の補償サービスは、補償される期間が延長されて2年までだったり、更新がなかったりなど、途中で見直しをする機会があまりないようです。利用者の中には、補償される期間を知らずに修理に出したが、補償期間が切れていたため高額になってしまったという話も数多く聞かされます。

通常の損害保険は1年更新が多いですが、同社の「スマホ保険」は、なんと3カ月更新。
これは、同社がAIを使って、契約者がどのように安全にスマホを使用してきたかという安全スコアを割り出すのに、3ヶ月が長すぎず短すぎず丁度いいとのこと。3カ月の自分の行動が保険料に反映されながら自動更新できるというのは、利用者にとっても成果を体感できるいいインターバルなのでしょう。

また、契約途中で機種変更した際にも、3か月ごとの更新時に契約条件を変更して継続することができ、各自のスマホ生活に柔軟に対応できる安心感もありますね。

(3)保険料について:安全に使えば更新後の保険料が割安になる

スマホ内のジャイロセンサーでは、歩数、端末の加速度、端末の回転角から、通常の揺れと落として破損につながる行動との違いもしっかり検知できるそうで、同社は、利用者の3カ月の履歴からスマホの扱い方の安全性をAIで数値化し、安全スコアを算出しています。安全スコアは50点が平均点で、その場合の更新時保険料の割引率は30%。よって普通に安全に使って保険金請求がない場合は、4か月目以降の保険料が平均30%割引になるとのことで、非常に大きな負担軽減効果につながると言えます。

なお、情報をとるためには、GPSの位置情報(匿名化されている)を「常に許可」または「このAppの使用中のみ許可」にすることが必要で、「Appの使用中のみ許可」でも、歩数等のその他情報を使用することで、スコアの近似計算が行えるとのことです。また、バッテリーを気にする方もいるでしょうが、同社のAIが日々のユーザーの行動を学習し、無駄なバッテリー消費がされないようアルゴリズムを組んでいるので、アプリのインストールとバックグラウンドでの起動でもバッテリー消費量は5%未満です。

(4)補償内容と請求について:シンプルで修理店などが幅広く、請求も手軽

補償内容も表のとおりですが、自己負担の有無を選べること、紛失・盗難でも半額が給付されることなど、非常にシンプルです。

また、修理できる場所についても指定の窓口や店のみでなく、街の修理屋さんで可能なのは、一日も早く復旧したい利用者にとってありがたいことです。

請求手続きも、修理代などの領収書を写メして送ることで審査され、アプリで完結できるので、手軽に進めることができます。また、GPSの位置情報は、保険請求時に不適切と思われる申告があるかどうかの調査にも使用され、保険金詐欺防止にも役立っているそうです。

なお、一般的な保険と同様、経年劣化やバッテリー交換などの修理費用、故意または重大な過失、法令違反、加工や改造によって生じた損害については、保険金は支払われません。

(5)今後の負担について:消費税がかからない

10月からの消費税アップも気になる情報ですが、大手キャリアの補償サービスは、消費税の課税対象になるので、課金が上がることが予想されます。

それに対し、少額短期保険のスマホ保険の保険料は国税庁の定めにより消費税の対象外なので、増税を気にする必要はありません。

参考:国税庁No.6201 非課税となる取引(4)  預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等 https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/6201.htm

<まとめ>

このように保険業界も、AIを駆使した保険料率と、締結手続きや給付審査が始まっています。今回は、少額短期保険として、スマホの補償に限定した保険でしたが、アプリ完結の強み、自分の行動で保険料を引き下げられること、そして、給付プロセスや給付内容のわかりやすさ、どれをとっても、従来の補償ビジネスに一石を投じているように思います。

今後は、同社もシェアリングエコノミーを保険に適用したPeer-to-Peer(P2P)保険(仮称:わりかん保険)などにも着手しています。まさに、利用者と保険会社が、財源をめぐって損得を繰り広げる(利益相反の状況)のではなく、利用者も保険会社も共に嬉しい(共に繁栄する状況)をつくるという世界へチャレンジされているので、同社の取り組みやサービス展開にはワクワク感があり、目が離せません

参考

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