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分譲マンションで地震保険は必要?

このたび、新築の分譲マンションを購入します。
火災保険の加入は決定していますが、地震保険には加入するかどうか迷っています。

迷っている理由としては、木造の一戸建などに比べれば被害はさほど大きくないだろうと思っている事。マンションは共有部分が多いので、持ち家ほど負担も大きくないと考えているからです。

地震保険は必要でしょうか?また、もし地震保険に加入する場合、注意点はおすすめの選び方などありますでしょうか?

(28歳 女性)

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大地震に備えて、地震保険には加入したほうが安心

ファイナンシャルプランナー福一 由紀

分譲マンションを購入された方にとって、地震保険へ加入するかどうかは悩ましいところですが、私自身は加入をおすすめしています。というのも、私の実家は20年前の阪神淡路大震災で全壊となりました。実家の周りのマンションも倒壊が多くあり、再建に相当な苦労をされていた方をたくさん知っています。2重ローンを抱えた人も多くいます。地震保険だけで安心とはいえませんが、加入しているとしていないとでは大違い。ということで、私が地震保険をおすすめする理由を詳しくご紹介しましょう。

家財には必ず入りたい

地震保険の復習を少ししておきましょう。地震保険は火災保険とセットで加入し、補償の対象は建物と家財の2つがあります。地震保険の保険金額は火災保険の保険金額の30~50%で設定し、加入限度額は建物5,000万円、家財1,000万円となっています。

まず、家財対象の地震保険ですが、これは分譲や賃貸、マンションや一戸建てに関わらず加入しておきたいもの。地震保険の保険金は、損害額が家財の時価の10%以上にならないと支払われませんが、家電製品や家具、食器などの被害がいくつかあれば支払条件はクリアしそうです。

例えば、500万円を保険金とする家財対象の地震保険に加入していたとしましょう。一部損(5%)で25万円、半壊(50%)で250万円、全壊(100%)で500万円の保険金がおりることになります。被害の全額をカバーできるとは限りませんが、保険金がおりれば、生活再建の助けにはなりますよね。

建物は専有部分のみでも加入がおすすめ

では、建物のほうはどうでしょう? 分譲マンションの地震保険は、建物が共用部分と専有部分にわけられます。廊下やロビーなどの共有部分は管理組合で加入することになります(加入していない場合もあるので、しっかり確認しておきましょう)。自分の住まいの専有部分に地震保険をかけるかどうか……が一番悩むところですね。

一般には、マンションは構造が頑丈で大きな被害がないだろう、専有部分のみなので負担も大きくないだろうという考えから、建物の地震保険は不要という意見も多くあります。確かに、戸建て物件よりは被害は少ないでしょう。しかし、マンションとはいっても、阪神淡路大震災での倒壊、東日本大震災で液状化による沈下や傾きの被害もありました。

多少の亀裂程度でそのまま住むにしても修繕が必要ですし、住めなくなった場合には次の住まいを探さなくてはいけません。住宅ローンが残っていれば、その返済も残っています。貯蓄だけでこの場をやりくりするのは、かなり大変な状況になるでしょう。

地震保険の負担ですが、実際の保険料も木造の建物から比べると、鉄筋やコンクリート造のほうはかなり割安の設定の設定になっています(木造の5~6割程度)。建物の地震保険は不必要と決めつける前に、負担する金額、大きな被害にあった時に必要となる金額、残る負債をしっかり考えてみましょう。住宅ローンを利用している人には、この地震保険は必須だと思いますよ。

地震保険だけでは補償不可能、でも地震保険なしでは再建困難

とはいっても、地震保険をかけておけば全て安心というわけではありませんのでご注意を。地震保険は火災保険の最大50%しか保険金を受け取ることは出来ません。この地震保険の保険金だけで被害を補償することは不可能です。ここは割り切って考えておくことが必要ですね。地震保険はあくまでも「再建の手助け」程度と考えておくことが大切です。

地震保険の補償がなければ生活の再建も困難な状況になることは目に見えています。本当に困った時に頼りにするのが保険です。地震大国の日本ですから、本当に怖い災害のために、今できることを対策しておくことが大切だと考えます。

ファイナンシャルプランナー福一 由紀

大学卒業後エンジニアとして勤める。子育てをしていく上でお金の知識が必要と実感しファイナンシャルプランナーの資格を取得。2005年5月に関西の女性ファイナンシャルプランナーと「マネーラボ関西」を設立。等身大のマネー情報をわかりやすく」をモットーに「シティリビング」などのフリーペーパー、雑誌でマネーコラムの執筆、「ぐるっと関西おひるまえ」などのテレビや各種セミナーでマネー講師として活動中。
また「理由なき楽観、理解なき悲観をなくそう」を合言葉に家計コンサルティングも数多くこなす。19歳・15歳の子供をもつワーキングマザー。

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