このたび、新築の分譲マンションを購入します。
火災保険の加入は決定していますが、地震保険には加入するかどうか迷っています。
迷っている理由としては、木造の一戸建などに比べれば被害はさほど大きくないだろうと思っている事。マンションは共有部分が多いので、持ち家ほど負担も大きくないと考えているからです。
地震保険は必要でしょうか?また、もし地震保険に加入する場合、注意点はおすすめの選び方などありますでしょうか?
(28歳 女性)
一級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引主任 保険のソムリエPIA株式会社 代表取締役 鈴木 洋二
日本という国には四季があります。台風が襲来、雪が降り、雨が降りおまけに地震大国。損害保険業界では火災にあう確率は3世代に一回と言われています。その他の災害は毎年確実に起り、各地に災害をもたらしています。程度の差はあるが、「万が一の補償」を考えて保険契約するのですから、最悪の場合を想定して、「火災保険」「地震保険」は当然契約するべきものです。
災害にあう確率は、年齢、性別にかかわらず平等です。「人生の一番高い買物」と言われている「家・家財」には最低限、必要かつ十分な備え「火災保険・地震保険」は必須です。地震の起こる確率は、火災の起こる確率よりずっと高いことを認識して下さい。ここは日本なのですから!(危険な地面の上で生活していることをお忘れなく!)
マンションを買った時、自動的に長期の(36年契約)火災保険に契約します。火災保険の契約内容、地震保険の有無等、「人生の一番大きな買物の補償」にしては、じっくり検討せず、その後見直しもされないのが現状です。地震保険の契約率は全国で27.9%(日本損害保険協会2013年度)と地震保険の契約率の低さは、地震保険の保険料が高い事と、この辺に原因があると思われます。
地震保険の被害は、火災保険と違い、躯体部(構造部分)の被害が全体のどれくらいの割合かで査定されます。窓ガラスが散乱したり、タイルが剥がれたり、見た目はとても被害が大きそうに見えても、躯体部に被害がなければ保険金は支払われません。この理解の差が、地震保険は支払われにくいという事になっていると思われます。
マンション専有部分の場合は「建物」より「家財」重点の契約となります。「建物」が全壊になる確率は飛躍的に低い。ただし、地震による津波の可能性のある場所にマンションが建っている場合は別です。専有部分の建物の被害は認定されにくいが、家財は専有部分のみの判定なので、災害が認定され易い。
地震で建物が全壊の時、区分所有者は、専有部分の地震保険金(建物+家財)と区分所有の資産配分を受け取ることができる。又管理組合が契約している、「マンション総合保険」の地震保険金も把握しておくことが大事です。
マンションの「建物」は、共有部分と専有部分が一体になっており、専有部分のみが一部損、半損、全損と査定される可能性は低い。
「家財」の地震保険は比較的保険金が支払われ易い(査定の方法が建物と違うのと専有部分独自の査定となる為)ので、実態に沿った保険金設定が重要。マンションの高層階になるほど、被害は大きくなります。
保険の業界で20年、生命保険・損害保険を扱う総合代理店として、マンション総合保険(契約実績138件保険金支払い手続き年間約150件)を中心とした火災保険専門の保険代理店を経営。マンション専有部分、一戸建ての火災保険も契約多数。
入りたがらない方が多いは事実だが、私自身は加入をお勧めしたい。
私のお勧めは、家財までしっかり地震保険に加入しておくこと。
各世帯で加入を判断できる火災保険は加入しておいたほうがよい。
地震保険だけで安心とはいえないが、加入しているとしていないとでは大違い。
立地条件のリスクが高いと思えば、保険の加入を検討しましょう。
例: 「老後」「医療保険」などお悩みで検索
※ただいま新規のご質問を制限しております。