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がん保険に加入するなら終身型にするべき?

がん保険への加入を検討しています。保険の無料相談にいったところ、定期型のがん保険だと、年をとった時の更新で保険料がかなり上がる可能性があるので終身型の方が良いと薦められました。

ただ、私としては、将来の公的な医療保険制度やがん治療の状況もわからないため、終身がん保険に加入しても良いのだろうかという漠然とした不安があります。

がん保険は、終身型の方が良いのでしょうか?
選ぶポイントなどありましたら教えてください。

(28歳 男性)

積極的には推奨しない

若い世代には、医療技術の進歩に対応しやすい定期型がおすすめ

ファイナンシャル・プランナー(株)プラチナ・コンシェルジュ取締役 國場 弥生

若い世代には、何十年も先を想定するのが難しいため、見直すことを前提にがん保険を選ぶことをおすすめします。定期型は将来のがん治療の状況に合わせて見直しやすい点がメリットです。

過去30年以上に渡って、がんは日本人の死因第1位です。検診や予防を心がけると同時に、保険や貯蓄で経済的にも備えておく必要があります。一方で、医療技術の進歩はめざましく、がんの治療にしても、抗がん剤の開発や新しい手術方法の確立などによって、治る可能性は高まりつつあります。
抗がん剤や放射線療法を手術と組み合わせた多様な治療法が広がったこと、高齢化にともなう医療費増を抑えるため、政府が入院日数の短縮をすすめていることなどに対応して、がん保険の内容も変化しています。かつては主に手術とその後の長期入院を想定したものでしたが、さまざまな治療法や通院での治療にも対応できる保障内容へとシフトしつつあります。
今後も医療技術が進歩し続け、がん治療を取り巻く環境が変化することを考えると、現在20代の人が高齢期を迎える頃までに、保障内容と実情が合わなくなってしまう可能性があります。

一般に、年齢を重ねるほどがんになるリスクは高まり、リスクが高くなるほど保険料は上がるという関係にあります。加入時から保険料が変わらない終身型は、一生涯のがんへの備えを確保するという考えのもと、本来であれば年齢とともに上がっていくはずの保険料を、何十年という保険期間を通じて平均化しています。それは裏を返すと、若いうちに遠い将来の保険料を前払いしていることになるので、途中で解約すると前払い分がムダになってしまいます。そのため、途中で見直しをしたい場合や一定の期間だけ保障を上乗せしたい場合には、期間の短い定期型の方が適しているのです。

がん保険を選ぶポイント

何十年も先を見通すのは困難ですが、現在の方向性からがん保険を検討するなら、がんと診断されたら一時金が支払われる「診断給付金」や通院での治療に適用される「通院給付金」、先進医療を対象とした保障などがポイントになります。

診断給付金は、治療を開始する前に受け取ることができる、治療法を限定せずに使うことができる、治療のための収入減などにも対応できるといった理由から、がん保険の中心に据えたい保障です。再発のリスクに備えて複数回受け取ることが可能なものが安心でしょう。

通院給付金は、入院日数の短縮にともなって重要度を増す、通院しながらの治療に役立ちます。通院給付金の支払いは、入院を条件としているものが一般的です。

先進医療は、厚生労働大臣が認めた高度な医療技術を用いた治療手法のこと。放射線治療の一種でがんに効果があるとされる陽子線や重粒子線治療などを利用する場合には、健康保険が適用されず、患者の費用負担が大きくなるので保障がついていると安心です。

<一般的ながん保険の保障内容>

  • 入院給付金:がんの治療のために入院したときに、入院日数に応じて受け取るお金
  • 手術給付金:がんの治療のために所定の手術をしたときに受け取るお金
  • 診断給付金:がんと診断されたときに受け取るお金
  • 通院給付金:がんの治療のために通院したときに受け取るお金

定期型のがん保険の注意点

定期型のがん保険にも注意点はあります。契約を更新することができる年齢には80歳や90歳などの上限があり、その年齢以降にがんになったとしても保障されません。2060年には、男性の平均寿命が84.19歳になるという予測※もありますが、より長生きに備えたい場合には終身型に加入した方が安心でしょう。

また、子どもの教育費などで支出が膨らむ40~50代に保険料が上がり、いちばん必要なときに払い続けることができなくなってしまうといったことがないよう、保険料アップを想定した家計管理も大切です。

※「高齢者白書(平成26年)」より

ファイナンシャル・プランナー(株)プラチナ・コンシェルジュ取締役 國場 弥生

証券会社勤務を経て、ファイナンシャル・プランナーへ。個人相談のほか、書籍や雑誌・Webサイト上での執筆活動を幅広く行っているほか、All Aboutマネーガイドも務めている。ファイナンスMBA。

<著書>
「誰も教えてくれない一生お金に困らないための本」エクスナレッジ

<メディア>
日本経済新聞、産経新聞、日経BP社「日経ビジネスアソシエ」、朝日新聞出版「AERA」他

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対

推奨

積極的には推奨しない

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