48歳男性既婚子供無しです。
医療保険が満期になり今後、医療、死亡、がん、養老保険等を考えています。特に養老に関してどうなのか? おすすめなのかという事とその他どの保険にどのように加入したら良いのか教えて下さい。
(48歳 男性)
CFP? 、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級DCプランナー、さっぽろ産業振興財団中小企業アドバイザーファイナンシャル・プランナー 星 洋子
医療保険の満期(保険期間終了)ということで、いろいろな保険をご検討されているようですが、ご自分の病気やケガに備えたいなら、医療保険があなたの目的に合った保険です。
医療保険は病気やケガで医療機関の医療を受けた時に、入院給付金や手術給付金などを受け取ることができます。
遺族保障が目的なら、養老保険よりも保険料の安い定期保険か、収入保障保険をお勧めします。保険料の負担を抑えてその分を万が一の備えとして貯蓄しましょう。
貯蓄しながら保障も備えたいとお考えの場合も養老保険は推奨しません。
養老保険は医療特約を付けることもできますが、基本は残された家族のための死亡保険金であり、もしくはその後無事に満期を迎えた場合の満期保険金という貯蓄が目的の保険です。
高額の死亡保障や医療特約を付けると元本割れ(支払保険料>満期保険金)になり、当たり前ですが保障の部分は満期で保険期間終了です。
それぞれのベストな設定期間や保険料を考えると貯蓄と保障は別々の商品がいいと思います。満期まで解約しない、特約をつけない、保険商品じゃないと貯められないなど、貯蓄オンリーのつもりでしたら検討されてもいいでしょう。
健康保険制度では、私たちが病院の窓口で医療費として払うのは、医療費総額の3割(70歳未満)。さらに「高額療養費制度」として自己負担限度額があり、一般的な所得者でひと月57,600円(標準報酬26万以下)~9万円程度(同28~50万)です。
また会社員の健康保険の給付に「傷病手当金」があります。病気やケガで4日以上仕事を休み、給料をもらえないときは給料の約2/3(標準報酬日額の2/3)を1年6か月の範囲で受けられます。
さて、病気やケガで病院にかかった場合、ほかの自己負担費用として、入院時の食事代の一部負担、本人希望の差額ベッド代や雑費、先進医療を受けた時の技術料などがありますが、あなたが会社員で、病気やケガの時の備えとして100~200万円ほどの蓄えがあるなら、あえて医療保険に加入しなくても経済的にすぐに困ることはないでしょう。
いっぽうで自営業のかたの健康保険は国民健康保険なので、高額療養費制度はありますが、傷病手当金はありません。
入院により収入を得ることが出来なくなる場合や、当面の収入代わりとなる貯蓄が無い場合
などは、医療保険の入院給付で備えるのもひとつの方法です。
ところで会社員も自営業者も、貯蓄で賄えないかもしれない費用として、先述の先進医療の技術料が考えられます。先進医療とは国で定められた高度な技術を使った療養のことです。技術料は健康保険給付外となり全額自己負担です。
先進医療は、患者が希望し医師がその必要性と合理性を認めた場合に受けることができ、医療機関も限られていますので、誰でもいつでも受けることができるわけではありませんが、あらたに医療保険に加入するならば、先進医療特約を付けるとよいでしょう。特約保険料はひと月100円代です。
医療保険は必要ないが、がんには充分に備えたい場合がん保険はいかがでしょうか。
最近のがん保険には診断給付金が主契約というタイプがあります。がんと診断されたら200万円といったような給付金なので入院しなくてももらえます。
もちろん「がん」でも、他の病気と同じく高額療養費や傷病手当金の給付が受けられますが、
外来治療で仕事を休みがちになる、あるいは自宅療養が長引くなど、貯蓄や傷病手当金だけでは心もとない場合に備えることができます。
またがん治療のひとつである陽子線治療や重粒子線治療などの先進医療技術は高額(おおよそ300万円前後)ですから、がん保険に先進医療特約をつけるのもお勧めです。(※注:がん保険の先進医療特約はがん治療を目的とした先進医療が対象です。)
万が一の場合、社会保障が私たちのベースの保険であり、貯蓄がいつでも使える保険です。両方の足りないところを生命保険で補いましょう。
ところで老後の生活費や、介護費用についてはいかがでしょうか。お子さんがいらっしゃらないので、今から老後のための貯蓄を始めても充分に備えていくことができると思います。
自営業や会社員でしたら、老後の備えの方法のひとつとして、確定拠出年金個人型がお勧めです。原則60歳まで引き出せないのでしっかりと貯めることができ、掛金は所得控除など優遇税制もあります。(※注:会社員は企業年金制度などがない会社に勤めている場合加入できます。)
また万が一の備えはお金だけではありません。健康なときに万が一の時の希望を家族に伝えておきましょう。
例えば延命治療や余命宣告について、お葬式の形式やお墓のことなど。病気になってからでは本人からも家族からも言い出しにくいものです。
今回の生命保険の見直しをきっかけに、ご夫婦で老後のライフプランや万が一について話題にされてはいかがでしょうか。
一般企業で経理・総務業務に従事しながら、自身の家計の見直しのためにFP資格取得。その後病気療養のため退職。
闘病時の経験が、お金とお金以外の大切なものを考え直すきっかけとなり、FP活動開始。ライフプランを提案するFPとして相談業務、セミナー講師などを中心に活動中。
FPとしてのモットーは「大事なことを見つけるお手伝い、大切なものを守るお手伝い」
お客様の夢をかなえるための必要なお金を「見える化」し、現状の問題点と将来の不安を解消できるようお手伝いします。
何かと叩かれがちな養老保険ですが、選択肢の1つとして養老保険をおすすめします。
低金利の時は、養老保険への加入は避けるべき。
養老保険は資産運用商品としてかつての人気商品。でも今は・・・
「一生涯保障が続く終身保険」「掛け捨ての定期保険」と比較すると、「死亡保険」としては最も保険料が割高になる。
使い勝手が良い分、通常の死亡保険よりも保険料は割高。
現在は運用環境が極めて良い状況ではないため大きくお金を増やしたいという目的なら、養老保険は不向き。
例: 「老後」「医療保険」などお悩みで検索
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